「円安ってお得なの?」海外旅行をきっかけに親子で学ぶ為替のしくみ

近々、子供たちとケアンズへ旅行に行きます。

チケットを取った日から、息子はオーストラリアドル(AUD)のレートをちょこちょこ調べている。

「ねえ、今1AUDって何円くらい?」

「帰るときに円安になってたらいいなあ。両替したお金が戻るとき儲かるよね?」

小学生がそんなことを言うようになったのは、日頃からお金の話を一緒にしてきたからだと思う反面、ちょっと待って、と思う私。

円安って、本当にお得なの?

旅行をきっかけに、親子で為替のしくみをあらためて整理してみました。


そもそも「円安・円高」って何?

為替レートとは、円と外国のお金を交換するときの「比率」のこと。

たとえば今、1AUD=約100円だとします。

ケアンズで150AUDのホテルに泊まるとき、日本円では1万5000円

でも円安が進んで1AUD=120円になったら、同じホテルが1万8000円になる。

円安=円の価値が下がる=海外のものが高くなる、ということ。

旅行前に両替するなら、円高のほうが断然お得。

息子もここは理解している。「だから出発前に両替するときは円高がいいよね」と言っていた。正しい。


じゃあ「帰りは円安がいい」ってどういうこと?

息子の言う「帰りは円安がいい」は、こういう話。

旅行前に1万円 → 100AUDに両替したとする(1AUD=100円のとき)。

ケアンズで使い切れず、30AUDが余った

帰国後に円に戻すとき——

  • 円高(1AUD=80円)なら:30AUD → 2,400円
  • 円安(1AUD=120円)なら:30AUD → 3,600円

円安のほうが、手元に戻るお金が多い。

「余ったお金を日本円に戻すときは円安がいい」、これは正しい。

息子がそこまで考えていたのは、正直すごいと思いました。


でも、円安がいいこととは単純には言えない

「じゃあ円安バンザイじゃん!」とはならない。

ここが大事なところです。

円安が続くと、こんなことが起きるのです。

スーパーの食品が値上がりする。
日本は食料の多くを輸入に頼っている。円安になると輸入コストが上がり、それが食品の値段に反映される。最近のお菓子や小麦製品の値上がりも、円安が一因。

ガソリンや電気代が上がる。
石油もほぼ輸入。円安になると燃料コストが上がり、ガソリン代や電気代に響いてくる。

海外旅行がどんどん高くなる。
旅行代金、ホテル、現地での食事——全部が円安の影響を受ける。数年前より「海外が遠くなった」と感じている人は多いはず。

一方で、円安で喜ぶ人たちもいるのも事実。

自動車や電子機器を海外に売っている輸出企業は、円安のほうが利益が出やすい。海外から観光客を呼び込む観光業も恩恵を受けることになります。

つまり——

円安は、立場によって「お得」にも「損」にもなるということ。


円安が続くのは「日本が弱くなっているサイン」かもしれない

ここからは、少し深い話。

円安には、もうひとつの見方がある。

「円が売られる=日本への信頼が下がっている」ということだ。

為替レートは、突き詰めると「その国のお金をどれだけ欲しいか」という世界中の人たちの評価でもあります。日本経済の成長への期待が高ければ円は買われ、円高になることに。逆に「日本は将来性がない」「金利も低いし魅力がない」と思われると、円は売られ、円安になるのです。

2020年代に入って円安が急速に進んだ背景には、日米の金利差だけでなく、日本の経済的な存在感が相対的に低下してきたことも影響していると言われています。

これは旅行のお得・損の話とは別次元の話。

息子にはこう伝えています。

「円安で旅行が高くなったとか、食品が値上がりしたとか、それは困るよね。でもそれより大事なのは、なんで円が弱くなっているのか、日本という国がこれからどうなっていくのかを考える必要がある。」


「どっちがいいの?」への答え

「どっちがいいかは、誰の立場で見るかによって違う。旅行者には円高がいいけど、輸出で稼いでいる会社には円安がいい。日本全体で見たら、どちらが正解とは言えないんだよ」という私の言葉に、理解して自分なりの答えを出そうと考えている様子の息子。

正解のない問いを一緒に考える。それが、わが家の金融教育のスタンスです。


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あぽさきぽき
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