旅行記というと良いことばかり書きたくなりますが、正直に書き残しておきたいことがあります。
ケアンズは本当に素晴らしい場所でした。でも、街を歩いていると「光」だけでなく「影」の部分も目に入ってきました。
街の「あれ?」な部分
まず、観光地としてのイメージとは少し違うなと感じた場面をいくつか。
ゴミ箱は至る所にあるのに、道路にゴミが落ちている。捨てる場所がないわけじゃないのに、なぜ?と不思議でした。ただ、ゴミ箱がなかったらもっと道にゴミが溢れていたのかもしれません……。
喫煙者が多かったです。タバコが苦手な私たちには正直つらかった。健康意識が高いという印象とのギャップに驚きました。もしかしたら観光客が多く喫煙していたのかもしれません。オーストラリアはタバコへの規制が厳しいことで有名なので、余計に意外でした。
街中にネズミがいました。夜、飲食店が並ぶエリアを歩いていると、足元をネズミが走り抜けていきました。子どもたちはびっくりしていましたが、都市部ではある程度どこでもあることなのかもしれません。
朝の街で見たもの
早朝、海沿いを歩いていたとき、街の別の顔を見ました。
バス停の周辺に、ホームレスと思われる方々が多くいました。大声で叫んでいる人もいました。昼間の観光エリアとは明らかに違う雰囲気でした。
子どもたちと一緒だったので、「意外だね。なぜこういう人たちがいるんだろうね」と一緒に考えました。
格差の背景を考える
旅から帰ってきてから、この光景の背景を調べました。
オーストラリアには、何万年も前からこの大陸に暮らしてきた先住民族・アボリジニの人々がいます。18世紀後半にヨーロッパ人が入植して以降、土地を奪われ、文化を否定され、長い迫害の歴史を歩んできました。
現在もその影響は色濃く残っています。教育、健康、雇用、所得、住宅など多くの分野で、先住民族の人々は依然として不利な状況に置かれています。平均寿命や健康状態にも大きな格差があります。
オーストラリア政府はこの格差を是正するために「Closing the Gap」という国家政策を掲げており、健康・教育・住宅・司法など複数分野で具体的な目標を設置しています。少しずつ変わろうとしているのは確かですが、数百年にわたる歴史的な傷はそう簡単には癒えません。
朝の街で見た光景は、こうした歴史と現実の積み重ねの上にあるのかもしれない。そう思うと、単純に「治安が悪い」とは言えないなと感じました。
それでも、街は安全だった
誤解しないでほしいのですが、ケアンズは旅行者として十分安全に過ごせる街でした。
子どもたちが一人で英語で注文しに行けたのも、見知らぬ人に話しかけられたのも、街全体に漂う「人を受け入れる雰囲気」があったからだと思います。実際、どこに行っても人々は親切で、英語が下手でも嫌な顔ひとつしませんでした。
学生が子どもだけで登下校しているのを見て、治安の良さを感じたのも事実です。
光と影、どちらも含めてケアンズという街だと思います。良い面だけを見て「素敵な観光地!」と言うのも、悪い面だけを見て「危ない街」と言うのも、どちらも違う気がしました。
旅行者として訪れるとき、その土地の歴史や背景を少し知っておくだけで、見える景色が変わります。子どもたちにもそういう旅の仕方を伝えていきたいと思っています。
ケアンズ旅行記シリーズ、次回はシュノーケリング波乱万丈編です。お楽しみに!

大丈夫。
いつも頑張っているあなた。
肩の力を抜いて、一緒に前を向いて歩んでいきましょう。


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